小倉へよる用事があったので事前に予約して創作和食の最高峰、佐藤へ行ってきました。
小倉駅から徒歩5分の好立地にある佐藤さん。界隈には話題の天寿しさんもあったりと博多とは違った楽しみ方ができるのが小倉の良さ。一月ほど前に予約をして、3日前に確認の電話を入れてよやく念願の訪問です。
小倉駅前の井筒屋の隣のブロックにある入り口。こんなにも好立地にあるとは思いませんでした。18時からの予約でしたが早く着いてしまったので井筒屋で時間を潰していましたが近くてびっくり。
キレイな白木造りのコの字カウンター。少し早めに着いたのでお店には一番乗りでした。大将が気さくに正面の席を薦めてくださいましたがイソイソと端の席へ。
萩の雲丹と湯葉。下には枝豆が敷いてありました。雲丹の量もさることながら、一つ一つが甘い。蕩ける口溶けでした。
鮑の柔らか煮。肉厚な鮑にたっぷりと酢味噌が乗せられた肝。ジュレ状になっている出汁と海ぶどうを合わせて食べるのも美味しいですが何より肝と食べたときの美味しさは贅沢そのもの。これだけ美味しい鮑は伊勢の浜木綿さんで頂いた以来かも。
カレイとクエの刺身。透き通る白身がお皿と一体化していて本当にキレイな一品。紅葉おろしと肝と一緒に食べると濃厚な甘みが、一緒に出された塩昆布と食べると白身の美味しさが口に広がります。本当に九州の白身は本当に美味しいなと痛感。白身ばかりに気を取られていると大将にお皿もバカラの80年ものと言われ、そのキレイさに納得してしまいました。
この日の焼き物は白アスパラガス、万願寺唐辛子、賀茂茄子、からすみ餅。焼く前に全てを見せてくれました。
椀物は鱚。さっと炙ってあってホロホロと崩れる身が優しい出汁とあいます。優しい味の一皿。
じっくりと焼かれるからすみ餅。網の上で膨れ上がるさまは美しいほど。口に入れた瞬間に再び感動。たっぷりのからすみが入っているにも関わらず辛すぎず、餅と調和していて絶妙なバランス。本当に至高の逸品と言えるほど美味しい! これは日本酒案件です。
海老とホワイトアスパラガスが焼かれていきます。沢山のものを同時に焼いていますがどれも時間差で絶妙なタイミングで提供されます。
丁寧に殻を剥かれ、塩辛風味に味付けされた車海老。濃厚な海老の風味がこれまた日本酒案件。
アスパラ、万願寺唐辛子、賀茂茄子は島ラッキョ味噌と一緒に。じゅわっと口内に広がる賀茂茄子の甘み、シャキシャキとした万願寺唐辛子、爽やかな甘味のアスパラ。野菜の美味しさが分かる年齢になりました。
フグの笹すしと素麺。笹の香りが非常に上品で初夏を思わせる一品。フグの甘みも強く美味。
佐藤さんのウリと言ってもいいのではないでしょうか。土鍋で炊かれた白米。提供されるタイミングで食感や甘みの変わる白米の美味しさを楽しめます。特に一口目の芯がまだ軽く残っている状態のお米はこれまでに食べたことのない食感。二杯目以降もカラスミジャコなどと美味しくいただけます。
デザートの一品目は宮崎マンゴー。贅沢に大きくカットされたものが提供されました。甘みが抜群なのはもちろん、オレンジリキュールで味を調整できるのもよかった。スプーンいっぱい、口いっぱいにマンゴーの甘さを詰め込んで、創作和食歴代で最高に満足のデザートでした。そしてこちらもお皿の透明感で夏が演出されていてよかった。
デザート二品目は葛切とお抹茶。濃厚な黒蜜と喉越し最高な葛切はお腹がいっぱいにも関わらず手を伸ばしてしまう魔力がありました。
お椀に描かれた富士山も綺麗で外国の方が来ても和食の良さを堪能できることは間違いなしでしょう。
過去に食べた創作和食の中でも群を抜いて美味しいことはもちろん、このお料理がこのお値段で食べられるのは衝撃的です。東京が高すぎるだけでしょうが。このお店のために小倉に足を伸ばしてもよいと思います。福岡旅行の際は是非。
■□お店情報□■
佐藤 (割烹・小料理 / 小倉駅、平和通駅、旦過駅)
夜総合点★★★★☆ 4.5